家計簿をつけることは多くの人にとって面倒な作業に感じられがちですが、適切な方法とツールを選べば、この日常的な習慣がどれほど有益か、驚くほど簡単に実感することができます。
家計簿を効率的に続けるためのコツは、適切なアプリの選定からカテゴリのシンプル化、自動化機能の活用に至るまで、さまざまです。
この記事では、家計簿を負担なく、かつ効果的に管理するための具体的な戦略を紹介し、財政管理の効率を格段に向上させる方法を探ります。
続けることが難しいと感じているあなたも、これらのポイントを取り入れることで、家計簿がもたらす明確な利益を実感できるはずです。
入力(記録)しない期間が続いて、嫌になる
家計簿をつけることの一番の障壁は、日々の記録を怠ってしまうことです。
数日間、家計簿をつけない期間が続くと、家計簿を開くこと自体が億劫になってしまうことありますよね。
その積み重ねが大きな負担となり、さらに記録するのが嫌になってしまいます。
このように記録の遅延が積み重なると、家計簿をつける本来の目的を見失い、最終的に家計管理を効果を実感できないまま、挫折してしまいます。
対策: 手入力必須のアプリ・手書きノートはやめる
手入力必須の家計簿アプリや、伝統的な手書きのノートは時間がかかり、面倒に感じることが多いです。
アプリの場合は、支払いのたびにアプリを開く必要があります。
手書きのノートの場合は、机に座らないと記録ができません。
このような方法では、日々の入力のハードルが高く、家計簿を続けるモチベーションが下がりがちです。
代わりに、自動でデータを記録できる機能を持つ家計簿アプリを利用することで、記入の手間を省くことができます。
対策: 1日1回は家計簿アプリを開いて更新する癖をつけること
毎日決まった時間やタイミングで、家計簿アプリを開いて、その日の支出を確認する習慣を身につけましょう。
やるべきことは、以下の2つだけ
- 家計簿アプリを一度開いて「更新」ボタンを押す
- 新しく取得された明細のカテゴリを正しく変更する
立ったのこれだけです。
例えば、毎晩寝る前や、毎朝通勤前など、日々のルーチンに家計簿の更新を組み込むことがポイントです。
ZaimやマネーフォワードMEには毎日同じ時間に通知をしてくれる機能もあるので効果的に使いましょう。
この習慣が身につけば、記録が負担に感じられることなく、自然と家計簿を続けることができるようになります。
また、毎日記録することで、支出の状況をリアルタイムで把握しやすくなり、無駄遣いを防ぐ助けにもなります。
記録し忘れが多くなって嫌になる
手入力や手書きで家計簿をつけると、たった数日間の記録を怠るだけで、その期間の支出が何だったのか忘れてしまうことがよくあります。
また、レシートを保管しておいてもそれを紛失してしまうリスクがあり、紛失したり探すこともストレスに繋がります。
その結果、記録の不完全からフラストレーションが生じてしまうことも。
こうした記録のし忘れやレシートの失くし問題は、家計簿の継続を困難にし、最終的には家計簿自体を放棄してしまう原因にもなります。
対策: キャッシュレス決済×自動連携家計簿にする
記録漏れの問題を解決する一つの方法は、支払いをキャッシュレス決済に統一して、自動連携機能を備えた家計簿アプリを使用することです。
ZaimやマネーフォワードMEの家計簿アプリは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーの取引情報を自動でアプリに取り込み、リアルタイムで支出を記録してくれます。
このように自動でキャッシュレスの支出情報が反映されてくるため、手動での入力漏れや記録し忘れを心配する必要がありません。
さらに、この方法は時間も節約でき、常に最新の財務状況を確認できるため、日々のお金の流れを正確に把握することが可能となります。
振り返りをしないで、効果を感じられずに辞めてしうまう
家計簿をつける目的は、日々の支出を管理し、資産状況・支出を改善することにあります。
ただ記録するだけで定期的に振り返らなければ、家計簿アプリはただ記録するだけの作業になり、日記的な意味しかありません。
振り返りを行わないと、どの支出が無駄だったのか、どこにお金をもっと使う余地があるのかなど、自身の消費パターンを理解する機会を失います。
これが続くと、家計簿をつけること自体が無意味な行為に感じられてしまい、やがてはその習慣を辞めてしまうことにもつながります。
対策: 必ず1ヶ月に1回は振り返る習慣をつくる
家計簿を継続的に有効活用するためには、月に1回は必ずその内容を振り返る習慣をつけることが重要です。
1ヶ月の支出を振り返り、「赤字か黒字か」「どの支出が家計を圧迫しているか」を把握し、次の月の予算計画に活かすことができます。
また、振り返りを通じて節約できた点や、まだ改善が必要な部分を明確にすることができ、より意識的にお金を管理することが可能になります。
さらに、達成感や自己管理の向上といったポジティブな意識を得ることで、家計簿をつけるモチベーションを維持しやすくなります。
改善点が見えない
家計簿をつけることの主な目的の一つは、自身の支出・資産状況を可視化し、具体的な改善点を見つけ出すことにあります。
そのために日々の支出をカテゴリごとに集計していく分けですが、自分の知りたい支出カテゴリごとに集計ができていなければ、どの部分に無駄があるのか、どこを改善すれば良いのかが明確になりません。
特に、目的に合わせたカテゴリで集計が行われていない場合、重要な洞察を得ることが難しくなります。これが、家計簿を活用しきれずに終わってしまう一因となっています。
対策:自分の知りたい粒度で支出カテゴリを分けて集計する
自分の知りたい情報に合わせて支出カテゴリを細分化し、それに基づいて集計を行うことで、支出や家計の改善点が見えるようになります。
例えば、食費を「外食」「スーパーの食材」「スナック」などに分けたり、交通費を「通勤」「旅行等プライペート」などと分類することが有効です。
これにより、各カテゴリの支出を詳細に追跡し、不要な出費があれば具体的な節約策を検討することが可能になります。
また、このアプローチは自身の消費行動を詳しく理解するのに役立ち、長期的に見ても家計の健全化に繋がります。
完璧に記録しようとして面倒になる
家計簿を続ける上で、完璧主義は大きな障害となり得ます。
家計簿をつけることの本質は、正確な金銭管理というよりは、大まかな金銭の流れを把握し、支出のパターンを理解することにあります。
完璧主義気味の方は、家計簿を記録することが目的になってしまっているかもしれません。
収支を完璧に合わせようとする姿勢ももちろん大切ですし、その姿勢は素敵です。しかし1円単位での正確な記録が支出改善に効果があるのか、立ち止まってみましょう。
特に、ふり返りの際に手元に残るはずの金額と口座残高が一致しない場合、「記入漏れがあるのでは?」と疑って時間を費やすことは、逆に効率を損ねる行為になります。
みなさんの時間も有限です。
家計簿はあくまで目安として使うべきであり、細かい誤差にこだわりすぎる必要はありません。
対策:端数は切り捨てるなどルールを設ける
家計簿を長続きさせるためには、完璧主義を捨て、細かく記録しすぎないように心がけることが重要です。
端数を切り捨てる、小さな支出は大まかに記録するなど、記録方法を簡略化することで、日々の記録が負担になりにくくなります。
また、月末の収支と口座残高が完全に一致していなくても大きな問題ではないと割り切り、家計の大枠を把握することに集中しましょう。
自分にあった家計簿を利用できていない
家計簿を継続的に使用し、その効果を最大限に引き出すためには、自分に合った家計簿を選ぶことが非常に重要です。
自分にあった家計簿って何?
万人に合う家計簿はありません。
使いやすさ、機能、レイアウトは、日常のライフスタイルや個人の好みに合わせて選ぶ必要があります。
自分に合う家計簿はライフスタイルや生活環境によっても変化してくるため、カスタマイズ性が高い家計簿アプリを利用することがおすすめです。
特に忙しい人には、自動で口座情報を取り込んでくれる家計簿アプリの中でもZaimがおすすめです。
日々の記録が自動化されており、手間をかけずに家計を管理することができるだけでなく、Zaimはその人に合わせたデザインやカテゴリのカスタマイズができ、自分の生活に合う家計簿アプリを作成することができます。
対策: 自分に合った家計簿を使う
家計簿アプリやツールを選ぶ際には、まず私が無料で提供している「家計簿比較シート」を確認してみましょう。
このシートには、各家計簿アプリの機能、使いやすさ、費用、対応デバイスなどの基本情報を一覧でまとめ、30項目以上で比較します。
これにより、自分のニーズに最も合致する家計簿アプリを客観的に評価し選ぶことが可能となります。
また、無料のトライアル期間を利用して実際にいくつかのアプリを試してみるのも良いでしょう。自分の日常の流れに自然と溶け込むアプリであれば、無理なく続けることができるでしょう。
無料家計簿アプリで試行錯誤している使い続けようとしている
無料の家計簿アプリを使用している多くの人は、機能の制限や広告の存在によって、記録の継続が難しく感じることがあります。
しかし、有料版に切り替えることで、より高度な機能を利用できるようになり、家計簿の継続が格段に楽になります。
有料版は通常、1ヶ月350〜500円程度で利用でき、この小さな投資が節約効果を高め、最終的にはその費用以上のリターンを得ることが可能です。
対策: 家計簿アプリを有料版に切り替えてみる
有料版の家計簿アプリを使用することで得られる利点は多岐にわたります。
例えば、広告がなくなることで操作性が向上し、入力完了画面のスキップや資産推移の長期比較、カテゴリの自由な変更、個人用と家族用のアカウントの切替機能など、利便性が大幅にアップします。
これらの機能により、家計簿を圧倒的に効率的に管理できるようになり、時間の節約だけでなく、より精密な財務管理が可能になります。
また、有料版を試す際には「1年間限定」と自分で期間を設定してみるのも一つの方法です。
この期間限定の使用は、家計改善に対するモチベーションを高め、実際の利益を体感しやすくします。
そして、有料版への切り替えを検討している方は、お得にアップグレードできる方法を探すことも大切です。
たとえば、マネーフォワードやZaimなどのアプリは、プロモーション期間や特定の支払い方法を利用することで、割引価格で有料サービスを始められることがあります。これらのチャンスを活用することで、コストパフォーマンスをさらに高めることができます。
カテゴリが細かすぎる
家計簿の管理でよく見られる問題の一つが、カテゴリの過剰な細分化です。
細かく分け過ぎたカテゴリは、記録する際に選択に迷いが生じ、結果として家計簿をつけるプロセスが煩雑になります。
マネーフォワードMEや市販の家計簿カテゴリは細かすぎる可能性があり、実際に細かくカテゴリを分けたところでどこを改善すればいいかがわからなくなってしまします。
特に日常的に発生する支出を多くの細かいカテゴリに分けてしまうと、どのカテゴリにどの支出を記録すれば良いのか決めかねる瞬間が増えてしまいます。
このようにカテゴリが細かすぎると、本来の目的である支出の把握と管理が困難になり、家計簿を続けるモチベーションが下がってしまうことがあります。
対策: 知りたい情報に合わせてカテゴリを大まかに分ける
効果的な家計簿の管理のためには、カテゴリを自分の生活スタイルや把握したい情報に合わせて、適切にまとめることが重要です。
例えば、スーパーでの買い物を「食品」「お菓子」「飲み物」などと細かく分けるのではなく「生活必須食料品」といったように一つのカテゴリで管理する方法があります。
これにより、購入する商品ごとにカテゴリを考える手間が減り、入力が迅速かつ簡単になります。
また、このような大まかなカテゴリ分けは、予算設定や支出の把握をシンプルにし、家計簿を継続的に使用するための障壁を低減します。
カテゴリは、必要に応じて後から細分化することも可能ですが、始めはなるべくシンプルに保つことがポイントです。
全てレシートで読み取ろうとする
家計簿アプリにおけるレシート読取機能は、手軽に支出情報をデジタル化し、正確に記録する手助けをする便利なツールです。
マネーフォワード、Zaimなどのアプリでは、スマホのカメラでレシートを撮影するだけで、品目や購入店舗まで自動的に読み取り、細かく支出内容を記録することができます。
これにより、手入力の負担が軽減され、膨大な支出の記録が楽になります。
しかしながら、レシート読み取り機能を使うには、レシートを保持し続ける必要があり、また撮影の手間や読み取りエラーの訂正など、意外と時間がかかることがデメリットとして挙げられ、手入力よりも返って手間と労力がかかる可能性があります。
レシート撮影ができる場所は明るい机がある場所など限られるため、ストレスがかかります。
対策: レシート読み取り機能をあえて使わない
レシートを利用しない方法として、家計簿アプリの自動連携機能を活用するほうほうがあります。
支払った後に自動で明細が反映されてくるため、手動でのレシート管理や入力の手間を完全に排除し、時間節約と同時に家計管理の精度を高めることができます。
また、キャッシュレス決済の徹底は、レシートが発生しないため、管理が非常に簡単になります。キャッシュレス決済を使用すれば、支出が直接家計簿アプリに反映され、常に最新の財務状態を把握することが可能です。
このように、レシート読み取り機能を避けつつ、より効率的で簡単な方法で家計簿を継続することができます。
使わないカテゴリが多い
家計簿アプリでは多くのカテゴリがあらかじめ設定されていますが、実際にはすべてのカテゴリが必要とは限りません。
使われないカテゴリが多く存在すると、アプリの使用が煩雑に感じられ、支出記録の際に迷いや混乱を招くことがあります。
このように不要なカテゴリが多いと、重要な支出の追跡が見落とされる可能性も高まります。
カテゴリを整理する、非表示にする
カテゴリを効率よく使うためには、使用しないカテゴリを非表示に設定することが有効です。
多くの家計簿アプリでは、不要なカテゴリを非表示にするオプションが用意されています。
これにより、アプリのインターフェースがすっきりし、必要なカテゴリだけが表示されるため、記録が迅速かつ正確になります。
Zaimはカテゴリのカスタマイズが簡単でおすすめです
マネーフォワードMEなどカテゴリの削除などが制限されていて整理できない場合は、自分のライフスタイルに合わせた「マイルール」を設けることで、無用なカテゴリを効率的に管理することができます。
手入力が多い(現金を使うことが多い)
現金の使用が多いと、その都度、家計簿に手入力する必要があり、これが家計簿継続の障壁になることがあります。特に現金使用が頻繁な場合、家計簿の記録が面倒になりがちです。
手入力を楽にする方法を工夫する
手入力の負担を軽減するためには、自動連携機能や支出記録のショートカットを活用することが推奨されます。
たとえば、Zaimなどのアプリでは「よく使う記録」を事前に登録しておくことができ、これを利用すると一般的な支出を瞬時に記録することが可能です。
さらに、現金での支出が多い場合でも、アプリに定期的な支出パターンを記録し、それを繰り返し利用することで手入力の時間を大幅に短縮できます。
このように工夫を凝らすことで、現金使用の際の家計簿管理をより簡単かつ効率的に行うことができます。
知りたいことが明確じゃない状態で続けている
家計簿をつける行為が習慣化されていても、具体的な目的が明確でなければ、その活動が持つ本来の価値を十分に引き出すことができません。
目的が不明瞭だと、家計簿をつける動機が薄れ、時間が経つにつれてその継続自体が形骸化してしまう可能性があります。
家計簿をただ記録するだけでなく、それを通じて何を得たいのか、どのような問題を解決したいのかがはっきりしていないと、実際にはその効果を実感することが難しくなります。
対策: 目的を明確にする
家計簿を効果的に使い続けるためには、まず何のために家計簿をつけているのかを自問自答することが重要です。
例えば、節約を目的としている場合は、不要な支出を削減することに焦点を当てます。
また、貯蓄を増やすことが目的なら、月々の貯金額を具体的に設定し、その目標達成に向けた計画を立てることが効果的です。
目的が収支の見通しを改善することであれば、支出と収入の流れを定期的に分析し、将来的な金融計画を立てるための基盤として家計簿を使用することができます。
この目的を明確にすることにより、家計簿をつける行為が具体的な成果に結びつきやすくなります。さらに、目的に基づいて家計簿のカテゴリや記録方法をカスタマイズすることで、より直接的にその目的をサポートする形で家計簿を活用することが可能になります。定期的に目的を見直し、必要に応じて調整することも、継続的に家計簿を活用していく上での重要なステップです。
まとめ
家計簿を継続的に利用するためには、いくつかの障害を克服し、効果的な戦略を採用することが重要です。ここで紹介した対策を活用することで、家計簿をより効率的かつストレスなく管理することが可能になります。
- 習慣の形成: 毎日決まった時間に家計簿を更新する習慣を身につけることで、記録が負担にならずに済みます。
- アプリの選定: 入力が簡単で直感的なインターフェースの家計簿アプリを選び、使いやすさを重視します。
- 自動化の利用: 自動連携機能やレシート読み取り機能を活用して、手入力の手間を省きます。
- カテゴリのシンプル化: 細かすぎるカテゴリ分けを避け、自分の生活スタイルに合わせてカテゴリを整理し、使いやすくします。
- 目的の明確化: 家計簿をつける具体的な目的を定め、それに基づいて記録方法をカスタマイズします。
最終的に、家計簿はただの記録ツールではなく、財政状況を改善し、将来的な金融目標を達成するための有力な手段です。目的に合わせた家計簿の使用は、毎日の小さな記録が大きな財務的自由へとつながる第一歩となります。これらのポイントを実践することで、家計簿の継続がより容易になり、その効果を最大限に実感することができるでしょう。